
先日、私はアンダーバスト落下事件で大騒ぎした。
半額以下になっていたブラジャーを買ったのだが、装着してみると、おっぱいをホールドする位置まで到達しない。
乳首の少し下あたりで止まる。
おかしい。
私のおっぱいはもともと控えめである。落下するほどの量もない。
では何が起きたのか。
まさかアンダーバストごと落下したのか?
私は真剣に悩んだ。
そして娘に相談した結果、
「そりゃ、おっぱいが落ちたらアンダーバストも下がるんだよ」
と言われ、なぜか私のブラジャーは娘の戦利品として回収されていった。
納得はいかなかった。
しかし、その後私は衝撃的な言葉を知る。
「ブラじまい」
である。
阿川佐和子さんと伊藤比呂美さんの対談を読んで初めて知った。
そしてさらに気になって、伊藤比呂美さんの『良いおっぱい 悪いおっぱい』まで読んでしまった。
読んで驚いた。
私などまだまだだった。
私はアンダーバストがどうのこうのと騒いでいた。
しかし先輩方はもっと先へ進んでいたのである。
おっぱいが垂れる?
それがどうした。
ブラが合わない?
それがどうした。
歳をとる?
当たり前だ。
そんな声が聞こえてきそうな勢いだった。
私なぞかなわない。
世の中には、もっと振り切った考え方を持つ先輩方がたくさんいた。
しかも、その考え方はどこか清々しい。
若い頃は、失ったものばかり数えていた気がする。
ハリがなくなった。
シワが増えた。
白髪が増えた。
体型が変わった。
しかし歳を重ねた女性たちは違った。
失ったものを数えるより、どう快適に生きるかを考えている。
苦しいブラジャーに体を合わせるのではなく、自分に合う生き方を探している。
歳をとってからの応用された思考回路は凄まじい。
私は退化だと思っていた。
しかし、もしかしたら進化なのかもしれない。
昔の女性たちはコルセットで体を締め上げていた。
そこから長い年月をかけて解放されてきた。
そして今はブラじまいという考え方まで登場した。
女性は年齢とともに退化するのではない。
快適に生きるために進化しているのかもしれない。
白髪も増える。
膝も痛くなる。
老眼も進む。
そしておっぱいも好き勝手な方向へ旅立つ。
それでも人間は工夫する。
進化する。
私も婆さんになって、もっと進化していきたい。

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